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■電子書籍が「できてしまう」ことから生まれる弱点(2/2)

2015年 5月12日(火) 0:00:00 [さくらのブログから転記]



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昨日の続き

昨日は、電子書籍が優秀であるが故に、紙の媒体より不都合が生じるかもしれないこと(電子焚書も容易)について書きました。

紙の媒体と異なり、購入者追跡ができてしまうので、いざ「破棄を命じられる」ことになったときに、購入者の手元にある本も含めて破棄させられてしまう。

もし、政権が自らにとって都合の悪い本を、この世から抹消させようと思えば、購入者の手元にある本すら抹消させることができてしまうということですね。紙の媒体ならば追跡不可だからできなかったけど、技術的に上な電子書籍だからこそ「できてしまう」こと。「できてしまう」が故の不便が生じることになります。

もう一つ、怖いのが、売れない本の絶版化ですね。

よく聞く話として、電子書籍なら場所を取らないから、古い本でも・不人気の本でもいくらでも置いておける、というもの。

でも現実には、ストレージ容量を消費しないデータなんてありえないので、「場所を取らない」というのはありえない。

特に電子書籍の場合、細かいデータ管理が出来てしまうが故に、サーバ管理業者から、データの冊数で出版社が課金されることもあり得そうな気がします。この場合、出版社にとっては、管理費の削減のために「データ数を絞る」=「売れる本だけをラインナップしておく」という行動が必要になりますから、電子書籍であっても、不人気の本は削除されてしまう恐れがあります。

こういう事態を防ぐためには、サーバ管理業者からの課金の形態として、データの冊数(種類数)ではなく、売れた本の価格の何%をもらう・・・みたいな形にしておかなければならないでしょうね。

ただ、サーバ管理業者にとってみれば、売れないデータが置かれている=利益を出さないデータが置かれている=ストレージが無駄に利用されているという状態になりますから、全然おいしくない。

サーバ管理業者にとっても、出版社にとってもWin-Winになる良い解決策を模索するしかないですね。


サーバのOS更新や、管理サーバをオンプレミスからクラウドに移すような、サーバのリプレースが行われるときも、問題になりそうな気がします。

電子書籍のサービスは24時間サービスが基本なので、サーバの移行に関しては、なるべく短期間でデータ移行することが求められるような気がします。

一般的なサーバリプレースの場合であっても、データ移行期間を少なくするために、持てるデータをスリム化しておきましょうという提案も合わせて行われることが多いはず。

電子書籍の場合も、サーバのリプレースに際して、「データをスリム化しておきましょう」「断捨離のつもりで、使用頻度の低いデータを削除しておきましょう」とか、システム開発業者から言われるかもしれない。


Posted by @u180 at 2015/05/12 06:29:10
『図書館戦争』を思い出しました。あれが既に電子書籍の検閲焚書が導入された状況下の物語だったりすると、かなり切迫感が出てきそうですね。

このあいだ『Grooveshark』という音楽ストリーミングサイトが終了しましたが--まああそこは法的に無理があったので仕方ないですが--そもそもがDL不要・不可でユーザーのコレクションが常にクラウド上に配置されるようなサービスだと、簡易かつ効果的に焚書することが可能になってしまいますね。

Posted by Ayacy at 2015/05/12 07:22:51
すでにそういった物語が存在していたわけですね。
便利ゆえに不便という状況が生じかねないのが、電子書籍ですね。

Posted by @u180 at 2015/05/12 10:49:59
『図書館戦争』では飽くまで印刷出版された紙媒体への検閲・弾圧に対抗する戦いが描かれていました。ざっくりいうと、中国文化大革命の焚書に対する、組織レベルの防衛闘争のような感じです。公安VS自衛隊的な?ちょっと違うか…

でも、現在の中国の巨大イントラネットのような環境下では、Ayacy さんが仰る電子焚書のようなことは既に日常茶飯事になってそうな気がします。

あ、自分は別にアンチ中国とかじゃないですよ。


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