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■取り違えウサギとその後の話を知れたこと

2016年 5月10日(火) 0:00:00 [さくらのブログから転記]



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國學院学長とウサギ、取り違えの裏に過激派  ビラ作成の学生「注意呼びかけ」

この記事に巡り会えたのは、幸せだったと思う。もし、この記事に巡り会わなければ、國學院の事務担当者はアホだったんだという誤解を、一生持ち続けることになっていたかもしれないから。

<学長><マスコットキャラクター>が逆に配置された画像がTwitter上で回ってきたのは、4月上旬くらいのことだったかと思います。

シュールさが目を引き、非常に面白かったわけですが、、國學院の事務担当者はチェック能力を存分に発揮できていないんだなぁと思ってしまいました。

そのまま、ほぼ1ヶ月くらいが経過し、偶然、上記のニュースを見つけました。

どうやら、このビラを作成したのは、國學院ではなく、学生だったとのこと。

しかも、学生としてはこの部分は目を引くためにワザと間違えていて、実際に言いたかったのはもっと別のことだったということ。

冒頭にも書いたとおり、たぶん、このニュースを見かけなかったら、僕はいまだに、國學院の事務担当はバカなパンフを作る組織なんだなぁと勘違いし続けたままだったろうし、事務員も不当に評価を下げられたままだったろうと思います。しかも、本人達の気づかないところで。本人達は悪くないのに。

この件で、2つの事件を思い出しました。

1つ目は、ソフトバンクが分割払い6万件超を誤って滞納扱い、クレジット審査等に影響。半年公表せずというニュース。

被害者本人の知らないところで、被害者本人は悪くないのに誤った信用情報が登録されてしまっていた事件。

誤った信用情報でクレジット審査が行われた場合。審査NGを食らったならまだしも、中途半端に審査OKが出て、利息が若干高くなってしまったみたいなことになっていたら、余分な利息を払い続けていたことになる。本人の知らないところで。

2つ目は、僕自身が被害を食らっている件。2012年の誤検知問題が誤って広められてしまっていたために、不当に信用が下げられているかもしれないというもの。事件の詳細を知ろうともせず「悪いのは作者側だ」と思い込んで、2015年頃に偽情報をTwitter上でばらまいていた人がいた事件です。

冒頭のニュースを見て、「大学側は、この事件を笑い飛ばすくらいの度量が必要で、処分などすべきではない」という意見も見かけたけど、おそらくこの事件の調査で残業や休日出勤を余儀なくされた事務員もいるだろうし、(僕は偶然このニュースを見かけたから知ったけど)未だに國學院事務はバカだと誤解…し続けてしまっている人もいるだろうと思います。

Twitterによる拡散って、誤情報の流布が簡単にできてしまうし、それによって現実に振り回される人もいるし、それが誤りだと気づいたところで訂正情報が浸透するわけではない危険性があります。


3年前の連続誤検知の時、「誤検知ならば、それを届け出て、解決して、ハイお終いなんでしょ?」みたいなことを言っていた人がいたのですが、多分こういう、誤情報に振り回された経験の無い人ほど、事態を軽く見すぎる傾向があるかと思います。果たして、誤情報に振り回された事務員は笑い飛ばせるんでしょうか?

想像の範囲ですが、もしかしたら、事務員の子供は、休日に遊園地に行く予定だったかもしれません。急に入った休日出勤で、遊園地へ行く予定が吹っ飛んだかもしれません。 遊園地に行く予定を吹っ飛ばされた子供は、そんな学生の行為を笑い飛ばせるんでしょうか?

そのビラを作った学生は、悪意があったわけではなく、実際には、Twitter上で拡散された情報からは欠けているもっと右に書いてあることを強調したかったのだとのことです。彼も正義の心で動いていたわけです。
ちなみに、3年前の誤検知事件の時だって、トレンドマイクロ社は悪意で動いていたわけではないだろうし、自分たちは正義の側にいると信じ切っていただろうと思います。
去年発生した偽情報のTwitterばらまき事件にしたって、自らの正義に従って行動していたわけで、悪意があったわけではないだろうと思います。

世の中でやっかいなのは、自分が悪人だと思って悪意の行為を行っている人なのではなくて、自分が正義だと思って悪行為を行っている人です。
生半可に自分たちが正しいと思っているぶん、後先考えずに行動するし、自分が悪いと思いなすこともないし、タチが悪いです。

もちろん、そのビラを作った学生には、今後正しい情報を流布する義務が課されるんでしょう。もしかしたら、このニュースを知らない人は、國學院事務はバカなことをしたんだと信じ切ったまま一生を終えるかもしれません。自分の子供を入学させるのを止めようと思ってしまう人もいるかも知れません。

本人達の知らないところで偽情報が定着してしまうと、思いがけない不幸が蔓延しかねません。
去年、誤検知に関する誤解がなかなか解けていない実態を知って、僕やトレンドマイクロの担当者は、一生かけて誤解を解き続ける覚悟が必要なんだろうなぁと思ったのと同様、この学生にも一生掛けて誤解を解く覚悟は必要だろうと思います。

もちろん、退学とか停学とか、重い処分は必要ないとは思います。ただ、残業や休日出勤を余儀なくされた事務員や、遊園地の予定を吹っ飛ばされた子供がいるかもしれないことへどう向き合っていくか、あるいは、今後大学事務員の名誉を回復するためにどうするか、に見合った「処分」は必要だろうと思います。それは非常に困難な道ですが、歩まなければならない道です。

また、記事でも触れられているとおり、誤解を広めるのに大きな役割を果たす形になってしまった「netgeek」という自称メディアは、ロクに確認もしないまま、國學院の名誉を貶める記事を書いたわけですが、4月末時点で記事の訂正も行っていないようです。あえて今回の事件で「100%の加害者」を探すならば、この自称メディアこそが糾弾されるべきであり、「処分」されるべきでしょう。

この事件は、もう少し追ってみたいです。




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