2019年07月14日

「任意の」という言葉の使い方に戸惑う

1〜2か月くらい前、ツイッター上で急激に「任意の」という言葉の仕様が増えたような気がしました。

僕は数学科出身なのですが、数学の文脈では「任意の」という言葉はけっこう頻繁に登場します。
ε-δ (イプシロン-デルタ)論法とか。
「任意のεについて、何らかの値δが存在し、…」みたいな感じで論じることで、極限の世界を正確に表現して…というか、多くの人と考えを正しく共有して、数学を論じることができるという、便利な道具です。

記号で書く時には、全称記号(∀)を使います。
ちょうど僕が大学で数学科に属していたころは、2ちゃんねるでアスキーアートが流行っており、この記号「∀」は、文字で顔を表す際の一部としてよく登場していたと記憶しています。

というわけなので、数学的な正確さのために使う「任意の」という言葉には慣れ親しんでいるのですが、それ以外の世界で使われる「任意の」は、どうとらえたらよいかよくわかりません。

あ、いちおう、応用数学であるところのプログラミングで使われる「任意の」は、いちおうわかります。
それから、デスクトップキャラクターの世界で一時期「任意」と呼ばれるキャラクターがいましたけど、それもまぁ、なんとか。

テクニカルな法律作成や法律解釈のためにも、使うことができるのかもしれません。これについては専門ではないのでよくわかりません。

それ以外の分野、例えば、ツイートの文面で「任意の彼女」とか「任意の彼氏」とかいう表現が、何の修飾語もなく、あるいは何の制限もなく登場したり、あるいは「任意の金額」とか言ってみたりしたとき、よくわからなくなってしまいます。

数学で「任意の」を使うときも、∀ε<0 (0未満の任意のε)としたり、∀ε∈R(実数の中の任意のε)とするなど、何かしら制限というか、それがとりうる値域とか含まれる集合くらいは示すものですからね。

・・・とそんなことを思っていたら、ツイッター上で「任意の」という言葉を見る機会が減ってきました。
移ろいゆく言葉のうちの一つだったのかもしれません。


posted by ayacy at 00:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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